私、小椋未夏は暑さにとても弱い。<br />今日もうたた寝しながら「あの夢」――雪野原でひとり立ちつくす夢、を見て泣いていた。<br />私にはなぜかその四歳の時以前の記憶がないのだ。<br />「そんな十二年も前のこと、忘れろよ」幼なじみのかっちゃんはそう言ってくれるし、彼の兄の勇人さんも私を包みこんでくれる。<br />でも私は逢ってしまったの。<br />雪見――私にそっくりな女の子に。<br />何かが始まる……!?※イラストは収録されていません。<br />