安政江戸大地震の中で生まれた愛娘もすくすく育ち、再びおえいの商いへの意欲も芽生えてきた。<br />だが、始めた団子屋を手助けしてくれるお加代はわけありの様子で……(「御用」)。<br />三代目九尾亭天狗の最後の弟子にして、晩年最も身近にいた礫は、芸への思いがこもった形見を譲り受けることになったものの、兄弟子の妬みを買ってしまう(「点取り、無双の三杯」)など人情が涙を誘うシリーズ大好評第四弾。<br />