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小説禁止令に賛同する

「皆さん。
こんなおかしな小説はありはしません。
信じて下さい」2036年の日本。
「練られた筋書きだの、生活の機微を活写した虚構だの、人間のありようを深く追求するだの、そんなことの一切が嘘八百だということを、わたしは平易な随筆でもってあきらかに示したい。
それが敗戦国の人間の、当然の責務だと考えるからであります」獄中で書いた随筆は、政府が発布した「小説禁止令」を礼讃する内容になるはずだった。
しかし、当局がそこに見つけたのは、あるはずのない作品名だった……。




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