紅蓮の雪
伊吹の双子の姉・朱里は20歳の誕生日を向かえた日、なんの前触れもなく自殺した。
朱里の遺品の中から大衆演劇「鉢木座」の半券が見つかり、それが死ぬ前の最後の足取りであることを知った伊吹は、少しでも真相に迫るべく一座の公演に行った。
公演後、座長に詰め寄る伊吹の姿を見た若座長の慈丹は、その容姿を見初め、入団を強く進めた。
伊吹は何か手がかりが掴めるのではと入団を決意し、以降、訓練と舞台に追われながらも、「女形」としての人気も得始めていた。
そんなある日、ひょんなことから両親と鉢木座との繋がりが露見することに。
それは鉢木座の過去に秘められた禁断の事実だった……。
血脈に刻まれた因縁、人間の最果てと再生を描いた問題作。
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