理不尽ゲーム
欧州最後の独裁国家ベラルーシ。
その内実を、小説の力で暴く。
群集事故によって昏睡状態に陥った高校生ツィスク。
老いた祖母だけがその回復を信じ、病室で永遠のような時を過ごす一方、隣の大国に依存していた国家は、民が慕ったはずの大統領の手によって、少しずつ病んでいく。
10年後の2009年、奇跡的に目覚めたツィスクが見たものは、ひとりの大統領にすべてを掌握された祖国、そして理不尽な状況に疑問をもつことも許されぬ人々の姿だった。
時間制限付きのWi-Fi。
嘘を吐く国営放送。
生活の困窮による、女性の愛人ビジネス。
荒唐無稽な大統領令と「理不尽ゲーム」。
ジャーナリストの不審死。
5年ごとの大統領選では、現職が異常な高得票率で再選される……。
緊迫の続く、現在のベラルーシの姿へとつながる物語。
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