江戸末期に土佐に生まれ、幼少より絵の才能を発揮し、狩野派の技法を信じがたい短期間で習得した天才絵師、絵金。<br />江戸で絵を学んで故郷に戻り、土佐藩家老のお抱え絵師となるも、とある事件により追放される……。<br />狩野派を学びながらも独自の美を追究した絵金は、血みどろの芝居絵など見る者を妖しく魅了する作品を描いた。<br />その絵に魅入られ、人生を左右された男たちの生きざまから、絵金のおそるべき芸術の力と、底知れぬ人物像が浮かび上がる、傑作時代小説。<br />