水たまりで息をする
【第165回芥川賞候補作】ある日、夫が風呂に入らなくなったことに気づいた衣津実。
夫は水が臭くて体につくと痒くなると言い、入浴を拒み続ける。
彼女はペットボトルの水で体をすすぐように命じるが、そのうち夫は雨が降ると外に出て濡れて帰ってくるように。
そんなとき、夫の体臭が職場で話題になっていると義母から聞かされ、「夫婦の問題」だと責められる。
夫は退職し、これを機に二人は、夫がこのところ川を求めて足繁く通っていた彼女の郷里に移住する。
川で水浴びをするのが夫の日課となった。
豪雨の日、河川増水の警報を聞いた衣津実は、夫の姿を探すが――。
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