傷ついた古家具には、無数の命が仕舞われている。<br />緑生い茂る山の中、ぽつんと佇む「森野古家具店」。<br />そこには、過去の沁みこんだ被災家具たちが、各々の物語をたずさえ集まってくるのだった――。<br />職人見習いの「鴻池さん」が、家具に秘められた当時の記憶に触れる、感性ゆたかな連作短編集。<br />