明智小五郎回顧談
「この期に及んで、僕の話など聞いて、何になるというのです?」明智小五郎は、日本人ばなれした彫りの深い顔に笑みを浮かべながら、じっと蓑浦を見つめた。
特徴的なモジャモジャ頭は、かつて蓑浦元警部補が事件の相談を持ちかけたときと、ほとんど変わりがなく、まだ白髪が混じることもなかった。
しかし六十歳を過ぎた彼の顔には、細かな皺が刻まれていた。
……(本文より)。
謎に包まれた出生の秘密、一高・帝大時代の暮らしぶり、江戸川乱歩との邂逅、そして二十面相との秘められた関係等々、名探偵が自らの生い立ちを独白する。
乱歩研究の第一人者が、研究の粋を尽くして描き上げた、明智小五郎の知られざる生涯!
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