しゃもぬまの島
「迎えに来ました」――人を天国へと導く幻獣「しゃもぬま」が祐のもとに突然やってきた。
特産品の夏みかんと並び地元の島で有名なその生き物は、死後必ず天国へ行くことから、神聖視されている。
そして、自らの死期が近づくと、島の人を死へ誘うという。
逃れる方法は一つ、しゃもぬまを誰かに譲ること。
微妙な距離感の幼馴染姉妹や、父親を教えない母へのわだかまりを抱え、生と死の狭間で揺れる彼女が導き出した答えとは。
心に傷を持つ女性の葛藤と再生を描く幻想奇譚。
第32回小説すばる新人賞受賞作。
更新中です。しばらくお待ちください。