ルコネサンス
大学院でサルトルを学ぶ中条珠絵は、亡き祖母と母と暮らした一軒家で一人暮らしを続けていた。
生後すぐに母は離婚し、父とは二十数年会っていなかったが、ある日、伯父から再会を勧められる。
迷った末に銀座のバーで出会うが、なりゆきから娘と名乗らないままに食事を重ね、恋愛にも似た感情を覚える。
自身の結婚を機に、改めて父娘としての再会を果たすも、家族であれば持っているはずの共通の思い出がないことに気づく。
郷里への旅や父の闘病を経て、ようやくたどり着いた父娘の在り方とは――。
父娘がお互いを家族とふたたび認める(ルコネサンス)までの軌跡を描いた著者の自伝的フィクション。
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