モルダウの黄昏・HoLEP ―前立腺肥大と向き合った男の物語
前立腺肥大症は、男性特有の疾患である。
患者数は年々増加し、1990年に約25万人だった実際に治療を受けた患者数は、2002年には約40万人と急増。
今日、潜在的には50歳以上の男性5人に1人、約480万人がこの疾患で悩んでいると言われている。
前立腺肥大症の手術をすると、代償として男性の性的機能の喪失。
たくさんの患者を悩ましてきたが、最近、ホルミウムヤグレーザーを用いた内視鏡下の前立腺核出術「HoLEP(ホーレップ:holmium laser enucleation of the prostate)」が、この疾患で悩む人びとの福音となって登場。
HoLEPという手術では、大きな前立腺症例に対しても輸血の必要がなく安全に施行でき有用性が高くしかも、入院期間も大幅に短縮。
その上に、男性の性的機能を損なうリスクがかなり軽減。
その新しい手術法を著者が受け、身をもってその効果を確認。
本書は、前立腺肥大症に悩んだ著者の体験を通して、男としての性を悩み、夢を見つづけて止まない男の黄昏と本音、男が能力喪失を決して認めないその機微を描いたセミ官能小説。
「男と女」という関係が、近くて遠い人間社会の永遠の謎であることを感じさせる。
本書の背景には、遠くスメタナの「モルダウ」が聞こえている。
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