高島和臣には17歳から2年近くの記憶がない。<br />そのせいか黒目がちで小柄な和臣は実年齢よりも幼く見える。<br />唯一覚えているのは、スケッチブックに残された市原譲という男の顔と名前。<br />義父の葬儀の日にやってきた、長身で端整な顔立ちの中津川寛之の家に引き取られることになった和臣。<br />寛之は和臣が自分の兄と心中しようとしたのだと告げる。<br />真相は?そして市原譲とは何者なのか。<br />