満員電車で「手」を失った男、お祭りの人ごみではぐれた幼い兄妹、渋滞にはまった男の孤独、がらくた収集家が本当に求めたもの、「のびのび」育てられた子どもの将来、独自のエクササイズに励む駅のホームの乗客、夜、母校の校庭で繰り広げられる非暴力的決闘、脱いだ靴下のように裏返ってしまった人、オレは無実だと詰め寄られる警官、助けてほしいのかほしくないのかわからない遭難者、…など。<br />タイトルのない短編や象徴的エピソードを連ねた一冊です。<br />