フランダースの犬、ニュルンベルクのストーブ
今回、ここには、『フランダースの犬』とあわせて、『ニュルンベルクのストーブ』を翻訳した。
ドイツの南東の都市ニュルンベルクの名陶工ヒルシュフォーゲルが作ったストーブの話である。
これはオーストリアのチロル地方の、貧しい家の居間に置かれていたストーブなのだが、それを借金の返済に充てるために父親が酒を振舞われて、酔って安く手放すことになる。
ヒルシュフォーゲルと呼ばれるストーブを愛するアウグスト少年は、ドイツのババリア地方にまで売られて運ばれて行くそのストーブの中に隠れ、「ノイシュバンシュタイン城」と目される城に到着する。
王様に発見され、ヒルシュフォーゲルに捧げる少年の愛に感動した王様に受け入れられ、アウグストは美術学校で絵の勉強をさせてもらえる機会を得ることになって、ハッピーエンドで話は終わる。
この作品は、『フランダースの犬』と共に読むと補完作用があって、最もその力を発揮する。
『フランダースの犬』で鬱積した読者の気持ちが、「アウグスト」と名前を変えて、「ネロ少年」の果たしえなかった夢が実現されることによって癒され、『フランダースの犬』の内容も快く受け入れられることになるのである。
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