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名もなき「英雄たち」へ -ピュージェット湾 愛しき日々-

「自由」は、自らの血と涙で勝ち取ったものである。
エイミーも艦橋から身を乗り出すようにして、高速艇に向け拳銃を打ち続けた。
その時、エイミーの胸に衝撃が走った…・・砲声と銃声、全ての音が耳から消えた。
懸命に照準を合わそうとしたが、目前がかすみ、引き金を引く指に力が入らない。
その時、どこからともなく憲通の歌う「スワニー川」が聞えてきた。
一八六四年八月五日…・・エイミー・松田、モービル湾の海戦で戦死、憲通のもとへ戦死の報届いたのは、ピュージェット湾に秋風が吹くころであった。
「本文より」




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