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七五調訳シェイクスピアシリーズ

現在に至るまで、シェイクスピア研究者の幾人かの方々が、『マクベス』の翻訳を手掛けられている。
訳文を見ても、それぞれの苦労が滲み出ている。
マクベスが魔女に騙されたと分かり愕然とする場が、クライマックスに二段構えで出てくる。
一つ目は、「ダンシネーンの森」のトリックである。
ここは、どの訳文を見ても、しっかり訳されている。
ところが、一番大切なもう一つの魔女の二枚舌である「女から生まれた男にはマクベスは殺されたりはしない」という、シェイクスピアの大得意の「だじゃれ」を生かし切って訳されている方が一人もいないという点が私にはずっと不満であった(全員の訳を読んだわけではないので、正しく訳されている方がいらっしゃれば謝罪します)。
この魔女が発する未来予言の言葉には、実は別の意味がある。
これが最も大事なのに、肝心な点が欠落している。
日本語で読む読者には、原典の「二枚舌/裏の意味」が理解されないし、これではシェイクスピアが失望するのでは?と考え、最後はこの一点に集中して仕上げた翻訳がこの作品である。




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