客も来ないさびれたドライブインを、経営する父。<br />昼間から酔っぱらっている父を嫌った姉は、中学でヤンキーになる。<br />だが父の死後、姉と弟は、蒲生家の‘かすけた’血が、自分たちにも確かに流れていることを感じる。<br />そして今、子連れで離婚寸前、ぱさついた茶髪の姉を、弟はなぜか、美しいと思う…ハンパ者一家を、哀惜にみちた筆致で描く、芥川賞作家の最高傑作。<br />