子供の頃、家族で行った海に臨むホテル。<br />そこは母親にとって、一族の栄華を象徴する特別な場所だった。<br />今も過去を忘れようとしない残酷な母と弟から逃れ、太一と結婚した奈津子は、久々に思い出の地を訪ねてみる…。<br />車椅子の夫とめぐる‘失われた時’への旅を通して、家族の歴史を生き直す奈津子を描く、感動の芥川賞受賞作。<br />