死にたくなったら電話して
「死にたくなったら電話してください。
いつでも」空っぽの日々を生きてきた男は、女が語る悪意に溺れていく。
破滅の至福へと扇動される衝撃作。
全選考員が絶賛した、第51回文藝賞授賞作。
なんという毒か。
世界を拷問にかけるようなこの虚無と呪詛。
拍手!――藤沢周氏すごい力量。
これまでの日本文学とは異質の体力で書かれている、私はそこに大げさに言えば圧倒された。
――保坂和志氏この小説の罠にすっかりはまった。
呪術的な言葉の力によって封印を解かれた、「カウンター悪意」の恐怖と愉楽。
初美が徳山を破壊に導いていく様は、世界を滅ぼす行為の象徴。
その過程を言葉の力として見せるという挑戦は、まさしく文学が究極的に目指すところだと思う。
安易な「希望」依存症を断ち切る力が、この小説にはある。
本当の希望はその先にある。
文句なしの受賞。
――星野智幸氏一度、その世界に入り込んだら抜け出せない。
十三版「失楽園」とでも言いたくなる、薄気味悪い物語に釘付けになってしまった。
――山田詠美氏
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