さまよえる患者
転院を迫られた患者と家族、医者が直面する「医療の現実」 病院とは無縁だった高齢の父親が、突然倒れた。
救急車でD大学病院の救命センターに運ばれ、命だけは助かったが意識は戻らずじまいだった。
命の危機が去った患者は、次々と運びこまれる重症患者のため救命センターを出て、一般病棟に移らねばならない。
だがその時期はどの病棟も満床で、父親はD大学病院のなかで行き場を失ってしまった…。
(「高度医療の陰に」より) 限りのある病院のベッド。
もっといたくても、置いてはくれない。
大学病院の中で行き場を失った患者たちはどうなってしまうのか。
病院を舞台に、患者・家族・看護師・医者のそれぞれの本音がぶつかりあう。
そこには、日本の医療問題が透けて見えてくる。
現役医師によるシミュレーション・ストーリー4話を収録。
第1話 高度医療の陰に第2話 さまよえる老人第3話 変わらぬ日々第4話 やすらかな死●米山公啓(よねやま・きみひろ)1952年山梨県生まれ。
作家、医学博士、神経内科医。
聖マリアンナ大学医学部卒業、聖マリアンナ医科大学第2内科助教授を1998年2月に退職。
本格的な著作活動を開始。
医学ミステリー、小説、エッセイ、医療実用書など、著書多数。
現在もあきる野市の米山医院で診療を続けながら、年間10冊以上のペースで書き続けている。
テレビ・ラジオ番組の監修・出演をこなし、講演会も全国で行なっている。
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