首打人左源太事件帖
「言い残すことは?」最期の望みを叶えてやる一風変わった首打人 千住の博徒・新吉は、縄張りをめぐって尾久の文三と争っているが、文三には凄腕の浪人・牧野甚内が付いているため押され気味。
そこで、技比べでは潮地左源太に負けたが、生まれつき左手がよく利かず右手だけを使う首斬りを得意とする半田助次郎を用心棒として雇うことに。
半田と牧野が対決するのはもはや避けられぬ事態となり、立ち会いに左源太が選ばれた。
しかし、この斬り合いには裏が…。
●多岐川恭(たきがわ・きょう)1920年福岡県生まれ。
東大経済学部卒。
戦後、横浜正金銀行をへて毎日新聞西部本社に勤務。
1953年『みかん山』で作家デビュー。
『濡れた心』で第4回江戸川乱歩賞を、翌年には短編集『落ちる』で第40回直木賞を受賞。
以降、推理小説と共に時代小説も旺盛に執筆した。
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