静かな教授
完全犯罪を狙った犯罪者の視点から殺人事件を描く倒叙ミステリ うそ寒い家庭生活を送る大学教授は、孤高の学究生活を乱す虚栄心の強い妻を冷ややかな目で見ていた。
やがて教授は、彼女を排除すべく‘可能性の犯罪’を試みる。
目論見通り妻の殺害に成功するが、そのとき家に居合わせた助手に疑いがかかる。
そして捜査が進むにつれて、念入りに固めた嘘が、少しずつ剥がれて落ちていき…。
●多岐川恭(たきがわ・きょう)1920年福岡県生まれ。
東大経済学部卒。
戦後、横浜正金銀行をへて毎日新聞西部本社に勤務。
1953年『みかん山』で作家デビュー。
『濡れた心』で第4回江戸川乱歩賞を、翌年には短編集『落ちる』で第40回直木賞を受賞。
以降、推理小説と共に時代小説も旺盛に執筆した。
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