妖少女ラルヴァ生贄
新たな大地を求め、女獣なる荒野を駆けぬいてゆく ラルヴァは、体内の異様な感触に意識を取り戻した。
同時に、自分が窒息しかけていることにも気付いた。
ドックン、ドックンという得体の知れない震動が、全身を包んでいる。
半固定のドロドロした肉塊だった。
身体の表面を包んでいるばかりか、口や鼻、肛門や膣から体内に触手を伸ばしている内臓のかなり奥深くまで、粘液状の舌を差し込んでいるらしい。
激しい震動が、身体の内と外の両方から、ラルヴァを揺すり立てた…。
好評『女戦士・フレア伝』シリーズの前身ともいえる短編連作。
「電子版あとがき」を追加収録して、ついに復刊!●友成純一(ともなり・じゅんいち)1954年福岡生まれ。
1976年、早稲田大学在学中に「透明人間の定理リラダンについて」が幻影城新人評論部門に入選。
映画評などでも活躍したのち、1985年「肉の儀式」で小説家デビュー。
官能的でバイオレントな作風が注目を浴びる。
以後、スプラッター小説のパイオニアとしてだけでなく、SF、ホラー、怪獣小説などでも鬼才ぶりを発揮し、多くの著作を発表。
またロンドン関連の著書も多い。
現在はバリ島在住。
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