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涙の天使にさよならを

一度も人を好きなったことのない、悪魔のような女の子「妖精の姿をした800歳の魔女」 ある客は、わたしを、そう形容した。
わたしは3ヶ月前に高校を卒業したばかりの18歳。
新宿丸井町のキャバクラ『ギャラクシー』のナンバー3。
源氏名はサクラで、本名は本条もえ。
でも、東京で、わたしの本名を知っているのは、店長と、幼馴染の百太郎だけ。
基本、信じてもらえないけど、わたしは、まだ「恋」をしたことがない。
キスらしきものはしたことはあるけど、男と寝たことは一度もない。
誰かを好きになったこともないし、なりたいとも思わない。
でも、そんなわたしの心に引いた一線を踏み越えてくる客がいた。
通称「プーさん」。
ハーヴァード大学で人工知能の研究・開発に携わる心理学の助教授。
38歳。
1本、200万円のドンペリ・プラチナを景品にして、わたしは彼と「賭け」をした。
彼の家庭を壊せたら、わたしの勝ち。
壊せなかったらわたしの負け。
でも、その「賭け」には、タイムリミットがある。
なぜなら、わたしは、ある「秘密」を抱えていたから……。
悪魔のように男を惑わし、けれど、一度も人を好きなったことのない。
そんな18歳のキャバ嬢の数奇な運命を描く、切なくも美しい、純潔のラブ・ストーリー。
●鈴木剛介(すずき・ごうすけ)1969年、東京都生まれ。
上智大学文学部哲学科卒。
外資系広告代理店、築地魚河岸、特別養護老人ホーム介護員、カナダの乗馬クラブの馬糞掃除人などを経て、専業作家に。
著書に、『THEANSWER』(角川書店)、『自殺同盟軍』(角川書店)、『デブになってしまった男の話』(求龍堂)、『人はなぜ生きるのか、答えよ!』(河出書房新社)、『真理男』(角川書店)、『ラブゲーム?キャバ嬢・ミトの恋戦(こいいくさ)?』(魔法のiらんど)、『星空の家』(パブー)。




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