天使はブルースを歌う
ブルースの街のもうひとつの戦後史、横浜アウトサイド・ストーリー 1996年の暮れ、著者は横浜の繁華街にある雑居ビルで、全身白一色の老女を見る。
彼女は「メリーさん」と呼ばれる老街娼で、横浜では伝説的な存在の女性だった。
戦後、どこからともなく横浜に現れ、外人専門に身を売っていた。
そのような女性はほかにもたくさんいた。
でもそうした女性達はどこへ消えたのだろう。
彼女達が生んだかもしれない混血児たちは? メリーさんに心惹かれた著者は、1960年代の末、全員混血というキャッチフレーズで売り出した人気GS「ゴールデン・カップス」のメンバー達と会う。
そこから根岸外国人墓地という未知の場所へと、不思議な糸に導かれた著者は、墓地にまつわる奇妙な噂を追うことに…。
戦後横浜の鬼っ子(エイリアン)を通して、ブルースの街の光と影を描くノンフィクション。
●山崎洋子(やまざき・ようこ)1947年、京都府宮津市生まれ。
コピーライター、児童読物作家、脚本家などを経て第32回江戸川乱歩賞を『花園の迷宮』で受賞し、作家デビュー。
横浜を描く作家として名高い。
現在は、小説だけでなく、ノンフィクション、戯曲なども手がける。
2010年、NHK主催の地域放送文化賞を受賞。
更新中です。しばらくお待ちください。