自分の戦場
「不幸になってたまるか」癌の母親の面倒を見ている、二人の兄は頼りにならない、そして好きな女がいる… 勝った負けたと騒ぐじゃない。
勝ち負けなど贅沢だ。
俺は働きづめ、毎日が引き分けだ…。
死病の母を世話し、好きな女との甘い暮らしを夢見る青年。
その幸福になろうとする強い意志を骨太に描く「自分の戦場」(第2回すばる文学賞)のほか、「八月の光を受けよ」(第81回芥川賞候補)と「クレパスの金と銀」の中篇3本を収録。
●吉川良(よしかわ・まこと)1937年、東京生まれ。
芝高等学校卒、駒澤大学仏教学部中退。
1978年『自分の戦場』で第2回すばる文学賞受賞。
1979年『八月の光を受けよ』で芥川賞候補、『その涙ながらの日』で二度目の候補、1980年『神田村』で三度候補となった。
1999年JRA馬事文化賞、ミズノスポーツライター賞優秀賞受賞。
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