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ヒポクラテスの暗号

政府要人の寿命が一ヵ月単位で予測されている!? 謎の怪文書をめぐって政財界が揺れ動く「さっき演壇で挨拶した室縄通産大臣だけどな。
今月いっぱいもたないだろう。
三年前からわかっているんだ」 健康長寿科学シンポジウムにふらりと現れた五十過ぎの汚い男は、不敵にもそう宣言した。
製薬会社に勤める西畑は、酔っ払いの戯れ言だと思っていたが…。
やがて、全閣僚の寿命を一ヵ月単位で予測した‘ヒポテーブル’なる怪文書を目にして、西畑は男の行方を探し始める。
一方、細胞手術(セル・サージェリー)という世界初の手法で執刀された肝臓移植手術の経過報告に、永田町は耳をそばだてていた。
肝機能障害を噂される首相の緊急入院、その裏では政財界を巻き込んだ陰謀が蠢いていた…。
先端医学情報が国政を揺さぶった六ヵ月を描く、驚異の医学サスペンス。
●山崎光夫(やまざき・みつお)1947年福井市生まれ。
作家。
早稲田大学教育学部卒業。
テレビ番組の構成、雑誌記者などを経て、1985年「安楽処方箋」で小説現代新人賞を受賞、同年短編「サイレント・サウスポー」で直木賞候補、1986年「詐病」「ジェンナーの遺言」が連続して直木賞候補となる。
1998年『藪の中の家 芥川自死の謎を解く』で新田次郎文学賞受賞。
医学を題材にした作品が多い。




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