安楽処方箋
医学雑誌に掲載された「医師に見破られず自殺する方法」の謎は解明できるのか「医師に見破られず自殺する方法ありや」医家向け専門雑誌に掲載されたこの質問に対し、謎の投書が寄せられた。
「有リ。
但シ、影響多大ト思ワレルニ付、茲ニハ記サズ」……編集部の塩谷は、昨年から頭にこびりついて離れない自分の母親の経緯を考えると、その内容はとても人ごととは考えられなかった。
彼は、その手紙に使用されている横罫便箋に小さく印刷されていた「東京養成院」の活字を手掛かりに、差出人を探すことを決意する。
(「安楽処方箋」より) 現代における生と死の意味を鋭くえぐる小説現代新人賞受賞作「安楽処方箋」、直木賞候補作「サイレント・サウスポー」「詐病」他を併録した医療ミステリ短篇集の名作。
*安楽処方箋*サイレント・サウスポー*詐病*カルテの軌跡●山崎光夫(やまざき・みつお)1947年福井市生まれ。
作家。
早稲田大学教育学部卒業。
テレビ番組の構成、雑誌記者などを経て、1985年「安楽処方箋」で小説現代新人賞を受賞、同年短編「サイレント・サウスポー」で直木賞候補、1986年「詐病」「ジェンナーの遺言」が連続して直木賞候補となる。
1998年『藪の中の家 芥川自死の謎を解く』で新田次郎文学賞受賞。
医学を題材にした作品が多い。
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