針の島
他所者を受け付けようとしない島人たち……彼らが唄う不気味な俗謡に秘められた意味とは? 山形県酒田沖に浮かぶ羽里島(はりじま)。
この島を偶然おとずれた新米刑事の五十嵐は、奇妙な墜死事件に遭遇した。
死者は古びた神社の急な石段を転落していた。
謎のダイイング・メッセージを受け取った五十嵐は、独断で捜査を開始。
すると、この三年間に同じ場所で毎年墜死事件が起こり、身許を示す所持品も何者かに抜き取られていた。
しかも、死者はいずれも東京のM石油の幹部社員だった。
そして盲目の巫女が、五十嵐の死を予告する…!?●藤本泉(ふじもと・せん)1923年、東京生まれ。
日本大学国文科卒業。
1966年に「媼繁盛記」で第6回小説現代新人賞を受賞し文壇にデビュー。
部落問題を扱った第17回江戸川乱歩賞最終候補「藤太夫谷の毒」(のちに『地図にない谷』と改題して刊行)、第75回直木賞候補『呪いの聖域』、第30回日本推理作家協会賞長編賞候補『ガラスの迷路』など話題作を立て続けに発表したのち、1977年に『時をきざむ潮』で第23回江戸川乱歩賞を受賞。
その他、伝奇ミステリ「えぞ共和国」シリーズなど著書多数。
1989年2月、旅行先のフランスから子息に手紙を出したのを最後に消息を絶ち、行方不明のまま現在に至っている。
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