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秘聞一向一揆

血塗られた大一揆、四枚の秘句に託された財宝、そして守護大名の暗殺に命を賭ける女の執念 一四八八年(長享二年)、加賀の守護大名富樫氏と、加賀の国人門徒・坊主を中心とする農民門徒の連合勢が対決した一向一揆。
富樫方を相手に血で血を洗う一揆が続く中、ひたすら富樫政親の命を狙うことだけに執念を燃やす女、奈辺君(なべぎみ)の鮮烈なる生き様。
さらに秘文に隠された李王朝の財宝を巡って繰り広げられる、ミステリアスな争いを描く。
歴史長編ミステリ大作。
●藤本泉(ふじもと・せん)1923年、東京生まれ。
日本大学国文科卒業。
1966年に「媼繁盛記」で第6回小説現代新人賞を受賞し文壇にデビュー。
部落問題を扱った第17回江戸川乱歩賞最終候補「藤太夫谷の毒」(のちに『地図にない谷』と改題して刊行)、第75回直木賞候補『呪いの聖域』、第30回日本推理作家協会賞長編賞候補『ガラスの迷路』など話題作を立て続けに発表したのち、1977年に『時をきざむ潮』で第23回江戸川乱歩賞を受賞。
その他、伝奇ミステリ「えぞ共和国」シリーズなど著書多数。
1989年2月、旅行先のフランスから子息に手紙を出したのを最後に消息を絶ち、行方不明のまま現在に至っている。




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