どーなつ
どこまでが自分でどこまでが他者なのかわからない……この記憶はほんとうに自分のもの? 父の迎えを待ちながらピンボール・マシンで遊んだデパート屋上の夕暮れ、火星に雨を降らせようとした田宮さんに恋していたころ、そして、どことも知れぬ異星で電気熊に乗りこんで戦った日々……そんな‘おれ’の想い出には何かが足りなくて、何かが多すぎる。
いったい‘おれ’はどこから来て、そもそも今どこにいるのだろう? どこかなつかしくて、せつなく、そしてむなしい曖昧な記憶の物語。
連作短編SF小説。
●北野勇作(きたの・ゆうさく)1962年生まれ。
大阪府在住。
SF作家。
1992年『昔、火星のあった場所』で第4回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞してデビュー。
2001年『かめくん』で、日本SF大賞受賞。
著書に『クラゲの海に浮かぶ舟』『どーなつ』『きつねのつき』『どろんころんど』『カメリ』等。
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