優しく埋めて
それは一本の電話から始まった……失われた記憶をたどって過去が亡霊のように甦る 警察を退職して警備会社に勤める渡会栄治は、ある朝見知らぬ女からの電話で起こされた。
その女、大友康子の夫が十四年前に渡会に世話になったという。
しかし康子の話はどうも要領を得ない。
夫がどんな名前でどんな人間だったか調べて欲しいというのだ。
気になった渡会が康子に会いにいくと…。
失われた記憶に過去が錯綜する「流れ藻」を始め、9本の短編を収めたミステリ短編集。
●日下圭介(くさか・けいすけ)1940年和歌山県生まれ。
早稲田大学第一商学部卒。
1965年朝日新聞社に入社。
1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。
1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。
その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。
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