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名前のない死体

元警視庁の刑事が殺された事件と、昭和三年に満州で起きた暗殺事件の関係は……驚くべき昭和史の内幕が明かされていく 十年前、何者かに刺殺された父の墓参りに訪れた寺坂健吾。
彼は、墓地で増渕という老人と、その孫娘の美奈子に声をかけられる。
老人は、元警視庁の刑事だった寺坂の父に命を救われたことがあるといい、真犯人を探し出す手伝いを美奈子にさせるという。
寺坂の父が現職時代に関わった事件の中で、中国人と思われる二人の人物が殺害されたものがあった。
これが父の死に深い関係があると知った寺坂だが、当時の調査を続けるうち、昭和三年に満州で起きた中国要人暗殺事件とのつながりにも気づく。
昭和史の常識を覆す父の死の真相と真犯人とは…。
●日下圭介(くさか・けいすけ)1940年和歌山県生まれ。
早稲田大学第一商学部卒。
1965年朝日新聞社に入社。
1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。
1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。
その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。




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