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鶯を呼ぶ少年

ウグイスの声が導いたものは、森の中に隠された男の死体「正夫に死体の話をしたのは、あくまで、でまかせでした。
正夫が、あの山に登るのが恐ろしかった。
山には忌わしい記憶があるのです。
私と、正夫の母の…」あの山には近寄ってはいけない。
特に、稲荷神社の祠には。
あそこには‘秘密’が埋められているから…。
(「鶯を呼ぶ少年」より) 第35回日本推理作家協会賞短編部門を受賞した表題作の他、物悲しくも美しい珠玉のミステリ短編7本を収録。
*鶯を呼ぶ少年*死はゆるやかに*時には草色の血*目撃者*紅皿欠皿*誘拐*波がうたった死の詩●日下圭介(くさか・けいすけ)1940年和歌山県生まれ。
早稲田大学第一商学部卒。
1965年朝日新聞社に入社。
1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。
1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。
その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。




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