クラゲの海に浮かぶ舟
蛋白質工学を専門とするぼくは、人工の生き物をつくる研究をしていた 科学者になりたかった。
科学者になって怪獣を創りたかったのだ。
どんなものでも創れるシステム。
なんでも売っているデパート。
人に夢を見せてくれる機械。
大人になったぼくは「会社」の技術開発部に所属して、新しい生き物を作る研究をしていた。
だが、意に反した方向で進められることになった研究の続行を拒否し、会社を去ることになってしまった。
そのせいであれに関する記憶のすべては、会社によって破壊されることに……。
●北野勇作(きたの・ゆうさく)1962年生まれ。
大阪府在住。
SF作家。
1992年『昔、火星のあった場所』で第4回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞してデビュー。
2001年『かめくん』で、日本SF大賞受賞。
著書に『クラゲの海に浮かぶ舟』『どーなつ』『きつねのつき』『どろんころんど』『カメリ』等。
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