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隣人の殺意

二人は幸福そうに見える……だが、夫婦のことなんて人には分からない 不動産業者・室津恒明が殺害された。
容疑者・居郷幹夫が犯行時刻に喫茶店で人妻・山脇康子と会った、と証言したことから、康子のもとに警察の事情聴取がくる。
居郷の証言を肯定した康子だが、室津の弟・明が不審を抱き、康子の友人・妙子に相談を持ちかける。
康子の結婚までの経緯や、事件当日の不明瞭な行動、偶然起こったように見えた窃盗事件に秘められた謎を、独自の調査で掴んだ妙子は疑問を持ち、真相を康子に問い質すが…。
(「待ちくたびれた妻」より)。
日常に起こりうる殺人事件とその当事者心理を、迫真の筆さばきで活写した渾身の七篇を収録。
*待ちくたびれた妻*六畳一間の殺意*友情ある証言*撮られたもの*夫が消えてから*素晴らしき隣人*友情のアリバイ●日下圭介(くさか・けいすけ)1940年和歌山県生まれ。
早稲田大学第一商学部卒。
1965年朝日新聞社に入社。
1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。
1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。
その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。




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