大いなる錯覚殺人事件
初夏の東京・府中。
ある廃ビルの一室で男が殺された。
たまたま廃ビルに入り込んでいた若いアベックと犬を連れて散歩中の中年男性が目撃し、警察に通報した。
男は「やぎさわしょういちろう、かすみがせき」のダイイングメッセージを残して死んだ。
殺された部屋の窓は密封され、扉はロックされた完全密室であった。
事件に巻き込まれた警視庁捜査一課の八木沢庄一郎は、密室の謎解きと真犯人のアリバイ崩しに挑むことになるが…。
八木沢警部補の推理が冴える長篇ミステリ。
●大谷羊太郎(おおたに・ようたろう)1931年、東大阪市に生まれる。
慶応大学文学部国文学科中退。
大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。
芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。
翌年より推理作家専業。
トリック中心の推理小説を120冊以上発表。
近年は時代小説でも多くの著書を発表している。
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