殺人航路
伊豆大島をグループ旅行した女子大生の前原真樹は、記念撮影の写真の中に亡霊のような学生服姿の男が写っているのを発見した。
その‘亡霊写真’を見て、父親の信造は顔色を変えた。
彼はさっそく、古い友人の有田道隆に電話した。
が、その最中、密室状況下の書斎で急死。
そして手には家族の誰も憶えのない溶岩の塊をにぎりしめていた。
……数日後、有田の一人娘の由美子が家出した。
結婚を反対されている相手の高村雅史にそそのかされたのだ、と有田は推測したが、行く先の見当はつかない。
そして三日後、由美子から届いた速達、その消印には伊豆大島の元町局になっていた! すべての鍵は大島にある。
慌ててその夜の船で向かった有田だが……。
長篇推理サスペンス。
●大谷羊太郎(おおたに・ようたろう)1931年、東大阪市に生まれる。
慶応大学文学部国文学科中退。
大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。
芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。
翌年より推理作家専業。
トリック中心の推理小説を120冊以上発表。
近年は時代小説でも多くの著書を発表している。
更新中です。しばらくお待ちください。