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蔵の中の鬼女

この天気の好い、空気の清々しい五月の昼日中に、蔵を抜け出すことにまんまと成功した治子は、それは御機嫌だった。
ニコニコと、満面に笑みを浮かべていた。
目だけが興奮し切って、ギラギラした輝きを湛えている。
その脂ぎった目は、タミ子なんか全然見ていなかった。
「まあ、可愛い赤ちゃんやねえ」食い入るように、背中の赤ん坊を見つめている。
(「蔵の中の鬼女」より) 鬼才・友成純一による電子オリジナル短編集。
雑誌「小説CLUB」に掲載された「白昼の幽霊」「変質者たち」など、計6本を収録。
巻末には「電子版あとがき」を収録。
*蔵の中の鬼女*白昼の幽霊*妖精の王者*ありふれた手記*夢見る権利*変質者たち●友成純一(ともなり・じゅんいち)1954年福岡生まれ。
1976年、早稲田大学在学中に「透明人間の定理リラダンについて」が幻影城新人評論部門に入選。
映画評などでも活躍したのち、1985年「肉の儀式」で小説家デビュー。
官能的でバイオレントな作風が注目を浴びる。
以後、スプラッター小説のパイオニアとしてだけでなく、SF、ホラー、怪獣小説などでも鬼才ぶりを発揮し、多くの著作を発表。
またロンドン関連の著書も多い。
現在はバリ島在住。




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