ラジオの夜
ロックスター・岩崎慎也の死は、オートバイをともに愛した音楽雑誌記者の立木周作に衝撃を与えた。
そして、腐敗した音楽産業への憤りを呼び起こさせた。
慎也の死は、日本の「ロックの死」そのものだった。
そんな周作の前に現れた一人の男、倉光。
かつてやり手のプロモーターだったという彼は、「多くのミュージシャンたちの名演を生み出した‘フィルモア’を日本に作る」と熱く語った。
彼に周作は心を動かされる。
そして、慎也を音楽界に送り出した李咏梅との貪るような愛。
満ち足りた日々を送っていた周作だが、ある時、自分を尾行する人影の存在に気づく…。
ロックとオートバイを愛する若者の情熱を描いた、ハードボイルド・サスペンス小説。
『レボリューション』(ハルキ文庫)を改題の上、「電子版あとがき」を追加収録。
●斎藤純(さいとう・じゅん)小説家。
1957年、盛岡市生まれ。
FM岩手在職中の1988年『テニス、そして殺人者のタンゴ』でデビュー。
1994年『ル・ジタン』で第47回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。
2005年『銀輪の覇者』(早川ミステリ文庫)が「このミステリーがすごい!」のベスト5に選出される。
岩手町立石神の丘美術館芸術監督、岩手県立図書館運営協議委員などをつとめている。
更新中です。しばらくお待ちください。