最終上映
寝たきりに近い状態となったその癌患者は、長らく会っていなかった大学時代の友人だった。
癌の告知をすべきか否か。
主治医となった男の苦悩を描き、第8回海燕新人文学賞を受賞した表題作のほか、愛する人の臨終と病理解剖を静かに見つめる「ステージ」を収録。
*最終上映*ステージ●石黒達昌(いしぐろ・たつあき)作家、医師。
1961年北海道生まれ。
東京大学医学部卒業。
「最終上映」で第8回海燕新人文学賞を受賞してデビュー。
純文学誌を中心に数多くの中短篇を発表する。
「平成3年5月2日,後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士,並びに,」「真夜中の方へ」「目を閉じるまでの短かい間」で三度の芥川龍之介賞候補になる。
また、「人喰い病」「希望ホヤ」で星雲賞日本短篇部門参考候補になるなど、SFファンからの支持も厚い。
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