冬至草
北海道・旭川の郷土図書館で見つかった新種の植物‘冬至草’の押し葉。
太平洋戦争期の在野研究者が遺した記録から、ウランを含んだ土壌に生息して人間の血液を養分とする異様な生態が明らかになっていく……。
科学という営為の光と影を追究した表題作、異端の天才科学者の半生が浮き彫りにする論理と倫理の相克「アブサルティに関する評伝」、終末医療の情景を宇宙的な死生観から綴った第132回芥川龍之介賞候補作「目をとじるまでの短かい間」ほか、全6篇を収録。
*希望ホヤ*冬至草*月の‥‥*デ・ムーア事件*目をとじるまでの短かい間*アブサルティに関する評伝●石黒達昌(いしぐろ・たつあき)作家、医師。
1961年北海道生まれ。
東京大学医学部卒業。
「最終上映」で第8回海燕新人文学賞を受賞してデビュー。
純文学誌を中心に数多くの中短篇を発表する。
「平成3年5月2日,後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士,並びに,」「真夜中の方へ」「目を閉じるまでの短かい間」で三度の芥川龍之介賞候補になる。
また、「人喰い病」「希望ホヤ」で星雲賞日本短篇部門参考候補になるなど、SFファンからの支持も厚い。
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