シンデレラ名古屋嬢殺人事件
「名古屋嬢キャンペーン! 三名の名古屋嬢を、私どもテレショップ小林では、社の総力を挙げて、探しておりまあす。
懸賞賞金として、一人につき、二千万円を差し上げまあす」 テレビ通販番組『テレショップ小林』の目玉企画として、社長の小林靖冶がテレビ画面で雄叫びを上げた。
かつて共演した女性三名の消息を追っているという。
調査の結果、そのうちの一名は病死、一名は自死、存命なのは井垣真理のみ。
ようやく探し当てた彼女には、残り二名の分も含めて六千万円が現金で贈呈されるという。
華やかな贈呈式には、今や売り出し中の推理作家・吉本紀子も特別ゲストとして招待された。
しかし、一躍シンデレラとなった名古屋嬢・井垣真理は翌朝、死体となって発見され、六千万円もスーツケースごと消えてしまった……。
美貌の推理作家・吉本紀子と警視庁広域捜査官・上島警部のコンビが活躍する旅情ミステリ小説。
完全書き下ろしの電子オリジナル作品。
●石川真介(いしかわ・しんすけ)1953年、福井県鯖江市生まれ。
東京大学法学部卒。
トヨタ自動車に40年間勤務。
1991年に『不連続線』で第2回鮎川哲也賞を受賞。
錯綜したストーリーと堅牢な構成、女性の数奇な運命と斬新な社会テーマ、丹念な現地取材に基づくローカル描写とグルメ、そして奇抜なアリバイ崩しの長編旅情ミステリーを得意にしている。
主人公は推理作家・吉本紀子と広域捜査官・上島警部。
作品は『女と愛とミステリー』(テレビ東京)、『木曜ミステリー』(テレビ朝日)でドラマ化。
福井ふるさと大使。
鯖江市ふるさと大使。
日本推理作家協会会員。
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