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地獄の釜開き

大きな蛭を丸ごと一匹、飲んでしまった。
つまり蛭が、食道にへばりついている。
おかげで、呼吸できなくなっている。
今はそいつを引っ張り出すのが、先決だ。
医者に行く、外に出るったって、どこが出口かも判らない。
出口を探しておろおろしている間に、ギンコは窒息死してしまうだろう。
(「魔物の沼」より) グロテスクで残虐極まりないシーンが次々と繰り広げられる衝撃のスプラッタ・ホラー短編集。
電子オリジナル作品。
「電子版あとがき」を収録。
*魔物の沼*蔵の中のあいつ*来るべきサーカス*地獄の釜開き*懐かしい、あの時代*ビデオの見すぎにご用心●友成純一(ともなり・じゅんいち)1954年福岡生まれ。
1976年、早稲田大学在学中に「透明人間の定理リラダンについて」が幻影城新人評論部門に入選。
映画評などでも活躍したのち、1985年「肉の儀式」で小説家デビュー。
官能的でバイオレントな作風が注目を浴びる。
以後、スプラッター小説のパイオニアとしてだけでなく、SF、ホラー、怪獣小説などでも鬼才ぶりを発揮し、多くの著作を発表。
またロンドン関連の著書も多い。
現在はバリ島在住。




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