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百万ドルの幻聴(メロディ)

そのフレーズを耳にした瞬間、誰もが息をのんだ。
リオデジャネイロのスラム街で撮影されたテレビ番組で、偶然映り込んだ黒人少年ルーシオ。
その奇跡の歌声を、カメラが捉えていたのだ。
レコード会社、ラジオ局、広告代理店……新人女性ディレクターは、歴戦の音の狩人たちと闘いつつ、少年のデビューに向けて動く。
だが、ルーシオは忽然と足跡を絶った。
次第に明らかになる音楽業界の闇。
F1のエンジン音かまびすしいモナコでのラストまで、息つく暇なく読ませてくれる驚異の音楽サスペンス。
●斎藤純(さいとう・じゅん)小説家。
1957年、盛岡市生まれ。
FM岩手在職中の1988年『テニス、そして殺人者のタンゴ』でデビュー。
1994年『ル・ジタン』で第47回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。
2005年『銀輪の覇者』(早川ミステリ文庫)が「このミステリーがすごい!」のベスト5に選出される。
岩手町立石神の丘美術館芸術監督、岩手県立図書館運営協議委員などをつとめている。




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