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三匹の野良犬

狂った夏の夜、他人の情事をタネにしたカツアゲの帰りに一郎と英坊は、パトカーに追われる隆と知り合った。
隆は、ムショ入り中に自分を裏切った女とその情夫を、派手な射ちあいの後に射殺して逃げていた。
意気投合した三人は、新宿のジャズ喫茶を溜まり場にして、悪事の計画を練る。
あるときは箱根に暴力団の開帳する賭場を襲い、またあるときは運搬中の麻薬を巧妙に奪取したり、基地から流れるカービン銃を横取りして暴力団同士を闘わせるなどして、次第に暗黒街でのし上がっていく。
だが所詮、野良犬は野良犬でしかないことを思い知らされる。
ハードボイルド連作短篇小説。
1965年には同名で映画化(監督:牛原陽一、出演:小林旭/宍戸錠/和田浩治、配給:日活)された。
●河野典生(こうの・てんせい)1935年1月高知県生まれ。
詩作、劇作のかたわら1960年『陽光の下、若者は死ぬ』でデビュー。
1964年『殺意という名の家畜』で推理作家協会賞を受賞。
日本のハードボイルド小説の先駆者となる。
幻想派SF小説、ジャズ小説など、多彩な執筆分野とジャズのフィーリングを持つ作家として特異な存在。




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