開眼活人剣 傑物列伝
刀を早く抜くためには、足さばき、腰のひねり、手の返しを一体とすることが必要なのだ。
走ることによって身体が不安定に揺れては出来ぬ技であろう。
「つまりは……」己は動かず、相手の近寄るのを待つ。
それしかない。
居て仕合う。
居ついて斬る。
「居合い斬り、抜刀の術!」林崎甚助は、己の思いつきに快哉をあげた。
(「甚助抜刀術」より) 宮本武蔵、柳生十兵衛、荒木又右衛門といった剣豪にまつわる秘話を描く。
7本の短篇を収録した傑作剣豪小説集。
*甚助抜刀術*夫婦武蔵*死霊又右衛門*中風越後*千鳥助九郎*志織円明剣*宗次郎応じ返し●えとう乱星(えとう・らんせい)1949年、熊本県生まれ。
慶応大学中退後、同人誌を主催。
1989年に「中風越後」で小説CLUB新人賞佳作入選。
1990年、『蛍丸伝奇』を発表、作家生活に入る。
『奥義・殺人剣』(光文社)、『裏小路しぐれ傘』(学研)、『用心棒・新免小次郎』シリーズなど著書多数。
更新中です。しばらくお待ちください。