囚われて桜子
岸本珠美には、暗い過去があった。
二歳の時に誘拐され、約一年後に無事保護されたのだ。
その間、「桜子」という名前で犯人に大切に育てられていたらしい。
結局犯人は捕まらずじまいだった。
それから二十七年、ネイリストとして働いている珠美は、インターネットの〈昔の事件を掘り起こそう〉という掲示板に自分の名前が登場していることを発見する。
そして再び’桜子’がゆっくり動き出す……。
ホラーサスペンス長篇。
●新津きよみ(にいつ・きよみ)1957年、長野県生まれ。
青山学院大学卒。
旅行会社、商社のOLを経て、88年に作家デビュー。
『妻の罪状』(実業之日本社文庫)、『ただいまつもとの事件簿』(光文社文庫)、『二年半待て』(2018年徳間文庫大賞受賞作)など著書多数。
『正当防衛』『匿名容疑者』『生死不明』『トライアングル』はテレビドラマ化、『ふたたびの加奈子』は『桜、ふたたびの加奈子』として映画化された。
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