イブの時代
1970年に人工冬眠に入った検事・?多時雄は、200年後の東京で目覚めた。
だが、あまりに旧来の倫理観とはかけ離れた世の中に、彼は戸惑う。
誰もが文明の恩恵を受け、貧富の差が消滅した社会。
セックスや恋愛が自由に解放され、嫉妬、三角関係といった問題も起きない社会……。
まるで理想郷のような世界だが、犯罪が絶滅したために捜査技術も衰退してしまったという。
フリーセックスの日々を享受しながらも、検事としての勘を取り戻した時雄は、敢然と殺人事件の捜査に乗り出す。
1961年に発表された古典SFミステリの名作が電子書籍で復刊! ●多岐川恭(たきがわ・きょう)1920年福岡県生まれ。
東大経済学部卒。
戦後、横浜正金銀行をへて毎日新聞西部本社に勤務。
1953年『みかん山』で作家デビュー。
『濡れた心』で第4回江戸川乱歩賞を、翌年には短編集『落ちる』で第40回直木賞を受賞。
以降、推理小説と共に時代小説も旺盛に執筆した。
更新中です。しばらくお待ちください。